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高森明勅
2017.1.4 01:00

健忘症?

安倍首相の再登場を歓迎した「保守的」「愛国的」な国民たち。

彼らはあの時、安倍氏に何を期待したのか。

その期待は叶えられたのか。

拉致問題は今、どうなっている?
尖閣諸島の危機は?
首相の靖国神社参拝は?
慰安婦問題は?
歴史認識の問題は?
北方領土問題は?
はたまた憲法改正は?
何か具体的な前進があったのか?

或いは、前進への展望だけでも開けたのか?

例えば慰安婦問題では、かねて懸案だった河野談話を取り消す
どころか、
首相自身がわが軍の非を認めて、それにお墨付きを与え、
日韓基本条約に伴う国際法上の「解決」を自ら覆して、公金で10億円
の“償い金”
を支払ったとしか国際社会では受け取りようがない
負ければ解決!」方式に落ち込んだ。

と思ったら、慰安婦像が撤去されないばかりか、
新しく設置される始末。

朴大統領が窮地に陥って、あの譲歩し切った退却線から、
更に押し込まれる可能性すら出て来た。

一事が万事。

全てこの調子。

しかし、人々は自分たちが何を期待していたか、
とっくに忘れてしまったのか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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